実体験か偽りの記憶か見抜く方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 22:53 UTC 版)
「記憶の汚染」の記事における「実体験か偽りの記憶か見抜く方法」の解説
話している様子だけでは、実体験なのか、記憶が汚染された偽りの記憶なのかは、見抜くことはできない。 アメリカでは、カウンセラーなど普段から子供と関わっている大人に、映像を見て嘘をついている子供を見分けられるか実験した。 カウンセラーなどの専門家は、作り話と実際に起きた事実であるかを見分けることに、自信満々だったが、見分けることができなかった。 さらに、カウンセラーたちが最も正確な事実を報告していると判断した子供が、最も話を脚色して体験していない出来事を語っていた。 記憶研究の第一人者エリザベス・ロフタス博士は「記憶を尋ねられたとき、生き生きとした詳しい状況が確信とともに語られたとしても、必ずしもその出来事が実際に起きたとは限らない」と指摘している。 普段から子供と関わっている大人でさえ見抜けないので、子供の話している様子や表情以外で判断する必要がある。 実体験か偽りの記憶かを見抜くには以下の方法が考えられる。 客観的な証拠と照合 話している内容が客観的な証拠に沿うのならば、実体験を話していると判断できる。(例:防犯カメラの映像に写っている) 一方で、客観的な証拠と矛盾する場合は記憶が汚染されていると判断できる。(例:DNA型が一致しない) 常識と相反しないか 常識的に考えられない話をしていれば、偽の記憶と判断できる。(例:魔法で空を飛んだよ) 具体的性 子供の場合、話が具体的なのかも判断の基準になる。 例えば、叩かれた子供に対して、どんな感じだったと聞いた場合に「痛かった」と答えても本当の記憶とは断定できないが、「痛くなかった」と答えた場合、記憶が汚染されていると判断できる。 他にも、性的被害を訴える子供に対して、触られた時の感覚を尋ね、「わからない」と答えた場合には、記憶が汚染されていると判断できる。 心理状況 心理状況も判断基準となる。 例えば、保育士から暴行受けたと子供が被害申告をして、調査のために保育士が自宅待機になった。 子供が、「先生が来なくなったから嬉しい」と話していれば、本当に遭った出来事の可能性は高まる。 一方で、子供が「先生もう来ないのかな」など心配をしている場合、体験と感情が矛盾していて、記憶が汚染されていると判断することができる。 話に一貫性があるか 特徴的な部分が、話す相手によって変わる場合は、記憶が汚染されていると判断できる。(例:救急車に乗った回数が、3回、4回、1回と変わるなど)
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