宝石の品質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 04:05 UTC 版)
宝石アンモライトの品質は最高級品からAA、A+、A、A-、の順で等級付けられている。ただこの等級は標準化されていない為、売手によっては独自の等級が使用されている。アンモライトの等級、即ち価値は以下の基準で決められている。 原色の数 アンモライトには多くの色が見られ、自然界全てのスペクトル色にわたっている。赤色と緑色は、青色と紫色が脆いため、より一般的である。深紅色や菫色、金色のような色彩も原色の配合によってある程度見られるが、非常に貴重で高い需要を有している。最高級は、3つ以上の原色がほぼ等量含まれるか、1つか2つの明るい夕焼け色を持つもので、最低の等級は比較的鈍い色がほぼ全体を占めているものである。 遊色効果(クロマティックシフトとローテーションレンジ) クロマティックシフトは異なる光の入射角による色の変化である。高い等級のものはこの変化が大きく、プリズムほどにもなるが、低い等級のものはほとんど変化を示さない。ローテーションレンジは試料を回転させたときに、遊色効果がどれだけ持続するかを示すものだが、最も良質のものは360度これが持続し、価値の低い石は指向性の大きい色を非常に狭いローテーションレンジ(90度以下)でのみ示す。中等級は240-180度である。 彩度 彩度と遊色効果は基本的に真珠光沢を発する殻がどれだけ良く保存されたかと、どれだけアラレ石の層が滑らかで規則的であるかに依存している。研磨の程度も一つの要素である。「竜の皮」裂罅は通常価値を落とす要因となる。最も高価なアンモライトはシートマテリアル型で、蛋白石の「ブロードフラッシュ」に類似した、幅広く曇りない色の広がりを持つ。高い等級のものでは母岩は隠れており、他の鉱物が割り込んでいたり、虹色効果を壊しているものは除かれる。 アンモライトの層の厚さも価格に重要な要素である。研磨の後、アンモライトは0.1-0.3mmの厚さしかない。非常に稀に、そして高価なものには、母岩のほんの一部ではあるが(1.5mmを超えない程度)、それのみで十分なほどの厚みを持ったものがある。しかしほとんどは補助的な仕上げを行なう必要がある。その他の処理もよく行なわれる。他の全ての要素も同様、処理が少なければ少ない程、アンモライト宝石の価値は高まる。カリブレット宝石は、加工に適した標準的な形状にした石であり、高値が付けられる。 アンモライトは最も貴重な有機宝石物質と考えられている。軟らかく、壊れやすく、限られた専門家のみが持つ特殊な処理技術を要する。大まかに、アンモライトは1カラットにつき30-65米国ドルで売買される。
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