宗達光琳派とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 宗達光琳派の意味・解説 

琳派

(宗達光琳派 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/04 23:48 UTC 版)

風神雷神図俵屋宗達画、京都国立博物館蔵、国宝

琳派(りんぱ)とは、桃山時代後期に興り近代まで活躍した、同傾向の表現手法を用いる造形芸術上の流派または美術家工芸家らやその作品を指す名称。

本阿弥光悦俵屋宗達が創始し、尾形光琳乾山兄弟によって発展、酒井抱一鈴木其一江戸に定着させた。

概略

大和絵伝統を基盤として、豊かな装飾性・デザイン性をもち、絵画を中心として工芸を統括する総合性、家系ではなく私淑による断続的な継承、などが特質として挙げられる。光琳が宗達に、抱一が光琳にそれぞれ傾倒し、その影響を受けている。狩野派円山・四条派といった他の江戸時代の流派は、模写を通じて直接から画技を学んだのに対し、琳派では時間や場所、身分が遠く離れた人々によって受け継がれたのは、他に類を見ない特色である[1]。同じような主題や図様、独特の技法を意識的に選択・踏襲することで流派のアイデンティティーを保持する一方で、絵師独自の発見と解釈が加わり再構成されることで、単なるコピーエピゴーネンではない新たな芸術を生み出した[2]

呼称

かつては尾形光琳・乾山とその作風を継承した酒井抱一らを一つのグループとみなし「光琳派」と呼んだり、その先駆者と考えられる俵屋宗達・本阿弥光悦らを含めて「宗達光琳派」と呼んでいた。現在は「琳派」という呼称が一般的である。

特色

背景に金銀箔を用いたり、大胆な構図、型紙のパターンを用いた繰り返し、たらしこみの技法などに特色が見られる。題材は花木草花多いが、物語絵を中心とする人物画や鳥獣、山水、風月に若干の仏画を扱った作品もある。

尾形光琳 紅白梅図屏風(紅梅図、部分)

及ぼした影響

琳派はヨーロッパの印象派や現代の日本画、デザインにも大きな影響を与えている。風神雷神図は多くの画家によって描かれ、それぞれの作品はよく比較の対象にされる。

2004年東京国立近代美術館で開催された「琳派 RIMPA」展では、明治以降の日本画の作品(菱田春草横山大観など)のほか、クリムトウォーホルの作品にも「琳派的なもの」が見られるとされた。

琳派に分類される画家・芸術家

参考資料

  • 『日本美術史事典』 平凡社 1987年
  • 『琳派美術館』 全4巻(1宗達と琳派の源流、2光琳と上方琳派、3抱一と江戸琳派、4工芸と琳派感覚の展開) 集英社 1993年
  • 展覧会図録

出典

  1. ^ 名古屋市美術館「特別展 琳派 美の継承ー宗達・光琳・抱一・其一」図録 p.9。
  2. ^ 名古屋市美術館「特別展 琳派 美の継承ー宗達・光琳・抱一・其一」図録 p.10。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「宗達光琳派」の関連用語

1
琳派 デジタル大辞泉
100% |||||


3
12% |||||


宗達光琳派のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



宗達光琳派のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの琳派 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS