完全な協調運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 09:47 UTC 版)
協調運転する「オランダ村特急」と「有明」 731系電車と併結するキハ201系気動車 実際に協調運転で電車・気動車の両方を動力車として運行された事例としては1989年(平成元年)4月29日 - 1992年(平成4年)3月24日に運行された九州旅客鉄道(JR九州)のキハ183系気動車1000番台「オランダ村特急」と485系電車「有明」の協調運転があげられる。 1987年7月からJR九州と鉄道総合技術研究所(鉄道総研・JR総研)でキハ30 15とクモニ83形を用いて電車・気動車の動力協調運転システムの研究開発が始まり、1988年3月に試作品が完成、翌月にはJR九州の関係者を招いてのセレモニーが催され、JR総研で電車・気動車の動力協調運転に成功した。JR九州では列車本数が多い鹿児島本線博多 - 鳥栖間では臨時列車の運転が困難な時間帯がある一方、九州内の観光地は最寄り駅が非電化区間に立地するものも少なくないとして、これらの観光地まで博多から直接乗り入れが可能なように開発されたものである。これにあたって製作されたのが、電化区間は当時主力だった485系と併結して協調運転して、非電化区間は自走するイベント気動車「オランダ村特急」である。当初は「オランダ村特急」編成側からのみ協調制御が可能な暫定システムで、「オランダ村特急」編成が前位に組成されていたが、後に485系側からも協調制御が可能なシステムになり、「有明」が前位に組成された。 北海道旅客鉄道(JR北海道)では1997年(平成9年)3月22日より731系電車とキハ201系気動車との協調運転を開始した。総括制御は電車側、気動車側双方で可能となっている。2018年現在では日本で唯一、電車と気動車の協調運転が行われている。
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