学術研究者による批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/05 16:48 UTC 版)
「オン・ザ・ルーフス」の記事における「学術研究者による批評」の解説
ウエストミンスター大学の建築学者ダヴィデ・デリウは上海中心で「人目を盗んで行った登頂を誇示したビデオや写真がリリースされるとオンライン上で小さな騒動が起こった」とし、「頂上でデジタルレフカメラで撮影した写真に加え、登頂時の危険な探索を行う様子を記録したビデオによって、彼らの探索は映画のような功績として受け入れられた」としている。 中国網絡中心の動画に関して、シドニー大学の文化地理学者ブラッドリー・ギャレット(英語版)はビデオの最後で彼らがビルボード・ハッキングを終えた後、「覆面を被った男達が階段を駆け下り、吹き抜けで着替えてロビーの外へ静かに歩いていく様子は映画『ミッションインポッシブル』の1シーンのようだ」と言及している。ロンドン大学の犯罪学者セオ・キンディニス(Theo Kindynis)は、「テンポの速いカットの連続・様々な角度からの撮影・低速度撮影された映像・都市の景観を空撮した襲い掛かるようなショット・プロレベルの編集技術」に着目し、「犯罪者が自分自身を撮影したものというより、制作費用に高額を投じたミュージックビデオのほうがより近しい作品」と表現した。さらに登頂の様子を撮影するという考えのもとで全体の流れが綿密に企画されている点に関して本作品の制作者は「CCTVよりはMTVのよう」と例えた。また本作品は彼らが登頂したことの証拠というよりは、LEDモニタを組み合わせたビデオ・パフォーマンスであると位置づけている。加えてギャレットがこの撮影を「meta-selfie」(自撮りを超えたもの)と表現したことを引用し、キンディニスはこれには否定的な意図を含んでいるかもしれないが啓蒙的であると指摘し、現代の消費者文化において多くの人は独自性を生むような商品や経験を消費することを通して自己確立を行うことから、オン・ザ・ルーフスのような「犯罪と逸脱行為の中間にあるパフォーマンスは消費者が行うライフスタイル選択の中で特殊なタイプの1つに過ぎない」と考察している。
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