始動方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 04:29 UTC 版)
比較的に小型の焼玉エンジンの始動方法は次のように行った。 まずシリンダーヘッドの焼玉を外部からバーナーで加熱して高温状態にする。次に、焼玉を貫通し設けられた排気コックを開放し、シリンダー内の圧力を逃がす(デコンプ)。この状態ならば、はずみ車を回して同軸のクランシャフトを回転させ、ピストンを上下させても圧力がかからないため、はずみ車を幾分楽に回すことができる。はずみ車を回転し続け勢いがついた所で、排気コックを閉めつつ燃料噴射を開始させる。もし焼玉内表面の熱面着火する時点のピストンの位置が適正ならば、エンジンを始動することができる。 また幾分大きな小型船舶用の竪型単気筒焼玉エンジンでは、次のように行ったようである。上記の小型エンジンと比べサイズが大きく、はずみ車、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフトが重く、摩擦も大きいため動かすのが困難である。そのため、はずみ車の動かし方が異なる。まず焼玉を外部から加熱する。その後、排気コックを開放しガスを抜く。この状態でピストン内の圧力が大気圧と同一となりピストンが自重で下死点まで下がる。次に排気コックを閉める。そして、はずみ車を左右に揺すり、その動きの幅が180度程度になった所で、逆回転側に勢いよく動かす。それと同時に燃料を噴射させる。これにより逆回転早期着火(プレイグニッション)を起こし、クランクシャフトを正回転側に向けて勢いよく回転させてエンジンを始動させた。 また概ねエンジンの出力が30日本馬力を超えると、始動用に圧縮空気ボンベの圧縮空気によるエンジン始動が一般的であった。 焼玉エンジンの特徴である、起動した後の連続運転中に外部から焼玉へ加熱を必要としない所は各々共通である。
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