失踪宣告の取消しと身分行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 14:48 UTC 版)
「失踪宣告」の記事における「失踪宣告の取消しと身分行為」の解説
失踪宣告の取消しと婚姻通説は32条1項後段は身分行為にも適用があるとし、失踪宣告を受けた者の配偶者であった者が再婚した後に失踪宣告が取り消された場合、後婚の当事者の双方が失踪宣告を受けた者の生存について善意であった場合には後婚は前婚に優先する(通説では新たな婚姻の当事者双方が善意であればこれと矛盾する旧婚姻は復活しない)と解する。一方、後婚の当事者のうち一方または双方が失踪宣告を受けた者の生存について悪意であった場合、前婚が復活して前婚と後婚との重婚状態となり、前婚については離婚原因(770条)を生じ、後婚については取消原因(732条・744条)を生じると解する。なお、身分行為については32条1項後段の適用を否定すべきとする有力説がある。 失踪宣告の取消しと相続通説は失踪宣告に基づいて相続がなされ、相続財産が譲渡された場合は、その譲渡の両当事者が失踪宣告を受けた者の生存について善意でない限り、失踪宣告を受けた者は当該相続財産を取り戻すことができるものと解する。また、譲渡財産の転得者が悪意であっても、最初の譲渡の両当事者が善意であれば、悪意の転得者は有効に所有権を取得できると解する(絶対的構成)。なお、当該相続財産が動産である場合には、即時取得が適用される場合がある。
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