失踪宣告によって財産を得た者の返還義務(32条2項)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 14:48 UTC 版)
「失踪宣告」の記事における「失踪宣告によって財産を得た者の返還義務(32条2項)」の解説
失踪宣告によって直接財産を得た者については失踪宣告の取消によって権利を失うが、現存利益(=まだ残っている範囲)で返還すれば足りる(32条2項)。相続人、受遺者、保険金受取人等である。通説は32条2項により現存利益の限度で返還すれば足りるのは失踪宣告が事実と異なることについて知らない取得者(善意の者)のみである(つまり32条2項は703条と同じ趣旨である)とし、失踪宣告が事実と異なることを知っている取得者(悪意の者)については悪意の受益者として704条の規定に従い全部の返還義務を負うとする。受益者が即時取得や時効取得といった他の権利取得の要件を満たしているときには返還義務はない(通説・下級審判例)。
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