大陸歌謡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:53 UTC 版)
大陸歌謡とは、日本が戦争中に直接もしくは間接的に占領した満州や上海など中国大陸を舞台にした歌で、地名や文物を交えながら、新天地を求めてさすらう旅人の哀愁や望郷の念、また男女の別れや慕情を歌った叙情歌である。舞台から「満州物」「上海物」、この分野を打ち立てた松平晃の「急げ幌馬車」の影響でよく幌馬車がアイテムとして使われたため「幌馬車物」とも呼ばれる。この大陸歌謡は戦時歌謡と違って戦争に関する明確な描写が存在せず、舞台が日本の占領地であるというだけで本質的には純粋な叙情歌・恋愛歌である。昭和9年(1934年)の発生時から一定の数を保って来た大陸歌謡は、開戦で戦時歌謡が優勢となる16年前後から急激に数を減らし、敗戦を待たずに消滅した。 大陸歌謡の叙情は、戦後発生した演歌の大きな主題の一つである「北へのさすらい」の原形であるとも言われる。
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