大西洋経済と価格革命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:36 UTC 版)
「近世における世界の一体化」の記事における「大西洋経済と価格革命」の解説
「価格革命」を参照 このように、世界の一体化は16世紀の大航海時代に端を発し、その過程において従属状態におかれたアメリカから、インディアン、インディオの強制労働によって生産された銀や砂糖などの産品がヨーロッパに送られたことから始まった。ヨーロッパ人は労働力不足を補うための黒人奴隷をアフリカ西海岸に求めた(奴隷貿易のはじまり)。ここに西ヨーロッパ、西アフリカ、南北アメリカ大陸を結ぶ人とモノの貿易連鎖、いわゆる三角貿易が成立し、大西洋をはさむ4大陸のあいだに世界システム(大西洋経済)が形成されていった。 また、アメリカ大陸からの銀の流入は、ヨーロッパに急激な価格上昇(価格革命)をもたらし、資本家的な企業活動をおこなうにはきわめて有利な環境がつくりだされ、好況によって商工業の発展をもたらした。川北稔は、価格革命の要因を16世紀における人口急増に求めている。その一方で、固定した地代収入に依存し、何世代にもおよぶ長期契約で土地を貸し出す伝統を有していた諸侯・騎士などの封建領主層にはまったく不利な状況となって、領主のいっそうの没落をまねき、銀価の下落によって南ドイツの銀山を独占していた大富豪フッガー家も没落した。
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