大斎における節制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 15:29 UTC 版)
「大斎 (正教会)」の記事における「大斎における節制」の解説
東方正教会は食の節制に大きな効能を認めており、斎にはいくつかの段階を定めている。大斎全体にわたって食の節制が行われ、とくに平日においては、通常水曜日と金曜日におこなわれるもっとも厳格な節制が恒常的に行われる。すなわち以下のものを慎む。 平日 卵、乾酪(乳製品)、肉、魚、オリーブ油、酒(本来はワイン) 主日とスボタ 卵、乾酪(乳製品)、肉、魚 主日とスボタは聖体礼儀を行う歓びの日であり、歓びをあらわす酒とオリーブ油が用いられる。また生神女福音祭が大斎中に行われる場合には魚が許される。 茶やコーヒーなどの飲用は禁止されていない。また貝、エビ、カニ類などは差し支えない。蛙肉などの両生類も差し支えないとされる。 油が、オリーブ油のみをさすのか、ゴマ油などその他の油をもさすのかについては、論者により見解の相違が見られる。19世紀の初期にはほとんどの油脂食品が禁止リストに載ったがヒマワリ種子はリストにはなかったため、ロシアでは教会法と矛盾なく食用可能なヒマワリ種子を常食とする習慣が発達し、19世紀半ばにはロシアは食用ヒマワリ生産の先進国となった。またこの経緯からロシアではソ連時代からヒマワリを国花としている。 食のみならず、旅行・宴席などのその他の享楽もできる限り避けることが望ましいとされている。他者からのもてなしに関しては、これも出来る限り固辞するべきであるとする論と、愛を表す行為として受けるのがよいとする論がある。
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