大彗星へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/02 03:45 UTC 版)
その後、C/1882 R1は急激に明るくなった。9月13日には木星に匹敵する明るさとなり、尾の長さも12度となった。9月16日には尾が中央で分割されているのが見えるようになった。また、その日には白昼でも見えるようになった。9月17日にはたった14分間でも明るさが変化するのがわかり、また金星よりもはるかに明るくなった。この時の尾の長さは1度と短くなったが、これは尾が太陽の反対方向に向くため、地球から見ると角度が浅いためである。 1882年9月17日にC/1882 R1は近日点に達した。近日点距離はたったの116万km(0.00775AU)であり、太陽表面からの距離は46万kmと極めて近い。C/1882 R1は近日点付近の太陽に極めて近い距離でも、太陽に次ぐ明るさの天体として認識された。視等級は推定-17等級であったと推定される。 フィンレイは減光フィルターを用いて太陽に接近するC/1882 R1を観測した。太陽の裏側に隠れる直前まで太陽の縁から尾が見えており、「まるで沸騰しているようだ」と述べている。そして太陽の裏側に隠れると、C/1882 R1は急激に見えなくなり、尾も観測されなくなった。通過には1時間58分かかったとされる。 デービッド・ギルは、9月18日に、それまでは確実に1つであったC/1882 R1が4つに分裂して見えることを報告している。これは、C/1882 R1の核が、太陽に接近しすぎて、潮汐力によって分離したと考えられている。
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