外貨兌換券の発行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 15:58 UTC 版)
北朝鮮は1979年から外貨を国庫に回収するため外貨兌換券を発行していた。同国では、外国人と自国民の接触を情報の漏洩を恐れて厳しく制限しており、自国民の営業する店に外国人が近づかないようにする目的もあったといわれている。 兌換券は朝鮮民主主義人民共和国貿易銀行が発行し、価値は自国通貨の人民ウォン(朝鮮民主主義人民共和国中央銀行発行)と等価とされていた。 外交官などが外貨を使用するときは平壌など約20か所にあった外貨商店で外貨を外貨兌換券に交換して使用した。外貨商店では質の高い外国製品の買い物ができることから、兌換券は同国国民にとっては人気の高い紙幣となった。そのため闇両替が横行し、人民ウォンの4 - 80倍もの価値で取引されていたと言われる。 社会主義諸国の通貨と交換した赤みがかった紙幣と、資本主義諸国の通貨と交換した青みがかった紙幣の2種類が存在し、後者の方が人気が高かった。 兌換券の種類は1・5・10・50チョン、1・5・10・50ウォンの8種類で、人民ウォンでは硬貨になっていた補助通貨のチョンも、兌換券では紙幣であった。紙幣のデザインは、チョンは金額表示が違うのみでどれも同じ、ウォンはデザインは同じだが金額によって縦横の大きさが異なっていた。なお、デザインは補助通貨のものは幾何学模様であったが、ウォン単位のものは社会主義諸国からのものは世界各国から金日成に贈られた土産物を展示する施設である国際親善展覧館、資本主義諸国からのものは、千里馬が描かれていた。
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