塩屋王子
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「九十九王子 (御坊市)」の記事における「塩屋王子」の解説
塩屋王子(しおやおうじ)は、岩内王子から南西に進んで、日高川支流の王子川右岸丘陵上にある。 藤原為房の熊野参詣記には塩屋にて宿をとったと記されているが参詣の記はなく、史料上の初見は『中右記』天仁2年(1109年)10月20日条に「至塩屋王子社奉幣」とあるものである。「熊野道之間愚記」建仁元年(1201年)10月11日条に参詣の記事がある他、『民経記』承元4年(1210年)4月26日条、仁和寺蔵の『熊野縁起』(正中3年〈1326年〉)にその名がある。近世には美人王子と呼ばれ(『九十九王子記』、享保15年〈1730年〉)、境内には『紀伊続風土記』を編纂した紀州藩藩儒仁井田好古撰の王子祠記碑が建てられた。 地元では今日でも美人王子の名で呼ばれ、美人王子の名の由来として、祭神の大日孁貴神(天照大神)の神像が美人であるからという説、白河院が熊野参詣の途上で歌会を催した(『新古今集』)ことに見られるような景勝地であるからという説(『和歌山県聖蹟』)などがある。 塩屋王子神社の境内は、和歌山県指定史跡(1958年〈昭和33年〉4月1日指定)されたが、2018年(平成30年)2月13日に、史跡登録名称「熊野参詣道紀伊路」の構成資産の一部として、「塩屋王子跡」が国の史跡に指定された。社叢(神社林)は、暖地性の常緑樹林で沿海暖地の天然林があり、市指定天然記念物(1979年〈昭和54年〉5月28日指定)。
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