城門塔(時計塔)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 16:40 UTC 版)
「ハイデルベルク城」の記事における「城門塔(時計塔)」の解説
防衛施設の要が城門塔 (Torturm) である。この塔には時計がはめ込まれており、時計塔 (Uhrenturm) とも呼ばれる。 城門塔は1531年から1541年に選帝侯ルートヴィヒ5世によって建設された防衛施設の一つである。現在もこの塔は城の主要な入り口となっている。下層部は陽が当たらない空間で、しばしば城内牢獄と呼ばれた。 城門塔は堀の底からの高さ52m、底面は1辺12.5mの四角形である。この塔はこの城に現存する最も高い塔である。1689年、ループレヒト館の火事の炎がこの塔の屋根に燃え移り、焼失した。現存するスレート葺きの帽子型の屋根は1716年頃にバロック様式で取りつけられたものである。 正面には3.40mの高さの「門の巨人」と盾を掲げる獅子が飾られている。銀の盾を掲げていたと言われるが、その盾は行方不明になっている。おそらく鋳つぶされたと考えられている。2体の騎士像は1534年と1536年に創られた。この像は塔から張り出した台の上に設置されており、天蓋で護られている。 橋楼(Brückenhaus、または門楼(Torhaus))と城門塔の間に架かる橋は1693年にフランス軍の坑道兵によって爆破された。選帝侯カール・フィリップは、跳ね橋としてこれを再建した。1810年に跳ね橋は撤去され、新たに橋脚が設けられて頑丈な道路橋が造られた。この橋脚は堀の底から20mの高さがある。城門塔には、かつて跳ね橋の鎖が通されていた穴が現在も見られる。 悪魔の噛み跡 城門には、訪問者がノックの合図に使う金属製のリングが取りつけられている。伝説では、ある城主がこのリングを噛み切ったものに城を譲ると言った。多くの者がこの課題に挑み、悪魔も何度も挑戦した。しかし、悪魔の丈夫な歯が砕けるまで挑戦したが成功しなかった。このリングには小さな噛み跡だけが残された。現在も城門のリングには傷がついている。この噛み跡を「悪魔の噛み跡」と呼ぶ。 城門塔正面の「門の巨人」と盾を掲げる獅子のレリーフ 「悪魔の噛み跡」がついた城門のリング
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