地球の重力を用いる方法の原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 21:20 UTC 版)
「真空チューブ列車」の記事における「地球の重力を用いる方法の原理」の解説
「位置エネルギー」および「ポテンシャル」も参照 地球上の物体は、すべて地球の重力により位置エネルギーを持っており、地球中心より離れるほど(つまり高い場所にあるほど)大きな位置エネルギーを持っている。高い場所と低い場所の位置エネルギーの差は、その間を移動する運動エネルギーに等しい。すなわち、 (高い場所の位置エネルギー)=(低い場所の位置エネルギー)+(高い場所と低い場所を移動する運動エネルギー) となる。よって、低い場所から高い場所へ移動するには、物体にその差分の運動エネルギーを付加しなければならないことになる。 一方、高い場所から低い場所へ移動するには、地球の重力により落下するという現象により、自然に運動エネルギーが付加される。摩擦力や空気抵抗をなくしてこの運動エネルギーを過不足なく利用できれば、その物体はまた同じ高さの場所へ戻れるはずである。 この原理を利用したのが地球の重力を利用する方法であり、チューブをV字型にすれば、加速時は列車の重み(地球の重力)で坂を下り、これにより得た運動エネルギーを使用して坂を上って同じ高さへ戻ることを繰り返し、人工的なエネルギー付加が不要となる。 ただし、現実にはチューブと列車の接触が避けられず摩擦力をゼロにするのは不可能なため、坂を上っても列車が同じ高さに戻ることはできない。よって、上り坂をリニアモーター等で引き上げる方法も考えられた。
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