地獄川・地獄沢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:07 UTC 版)
地獄川(じごくがわ)は中禅寺湖の北部、男体山西麓の湧水を水源とし、湯川と合流した後、中禅寺湖畔の菖蒲ヶ浜へと流入する河川である。水源となっている地下水は、湯川やその支流の流れがせき止められて生じた湿原である戦場ヶ原に由来すると考えられている。 地獄川の水源から中禅寺湖の河口までの全長は約2km程度で、湯川の全長11kmと比較しても短い川であり、また流水量も湯川の方が多いが、中禅寺湖の河口約0.5km手前で竜頭の滝を流れ下ってきた湯川と合流した際には本流となる。なお湯川との合流地点より上流側の流れを地獄沢(じごくざわ)、合流地点より下流を地獄川と呼び分け別の河川として区別する場合もあり、地獄川は湯川の竜頭の滝より下流部約0.5kmの区間を指す別名であるとして解説される場合もある。 沿岸には養魚場、菖蒲ヶ浜発電所といった施設がある。菖蒲ヶ浜発電所は最大出力450kwの小規模な水力発電所で、地獄川の上流(地獄沢)左岸から取水し、発電所を経由した用水は独自の経路で中禅寺湖に流入している。この発電所は大正時代、奥日光地域北方の山中(後の山王林道沿線)にある西沢金山の鉱業用電力を確保するために建設されたものであるが、1921年(大正10年)からは地域への配電が行われるようになり、昭和期頃に西沢金山が閉山した後も電力の供給を行っている。 地獄川(地獄沢)流域周辺にはこのほか、地獄滝と呼ばれる小さな滝や、三箇所に分骨された勝道上人の墓の一つと伝えられる、「瑠璃ガ壺」と呼ばれる洞窟がある。
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