地域の事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:30 UTC 版)
事件当時の葛尾は娯楽に乏しく、総会に際して行われる宴会は数少ない楽しみの一つだった。奥西が逮捕された当初は、「犯人が特定された」という安堵により、むしろ奥西の家族をサポートしようという呼びかけが行われた。しかし、奥西が否認に転じたことを知ると、集落ぐるみで家族への迫害や差別が始まった。こうした村八分の結果、家族が葛尾を去り市内に転居すると、これを口実に共同墓地にあった奥西の家の墓は墓地隣接の畑に一基だけ追い出された。奥西へ死刑判決が下ったあとに犠牲者慰霊碑が建立された。 葛尾は事件当時、人口100人程度の集落であった。奥西が無実であった場合、葛尾の中に真犯人がいる可能性が高いと思われたため、地域の「和」に再び波風を立てる結果になることを恐れたとの声もある。一方、小さな集落が全国区で話題になったことへの反発もあった。
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