地図または公図の機能・役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/24 14:29 UTC 版)
地図または公図の役割は、ある一定の範囲を俯瞰して土地の位置・形状・大きさ等を見ることができることであり、精度の低い図面であったとしても重用されてきたことはいうまでもない。地積測量図が一筆もしくは数筆ごとの部分的な図面であるのに対し、地図はあるまとまった地域での各筆の位置・形状・大きさ等を一覧するための図面である。また位置的な感覚として、図面上で地番を検索する機能をも有する。然るに、地図の機能・役割を果たす上で、少なくとも以下の点が要求されることになる。・国公有地を含め範囲内の登記されている土地は全て作図され、登記されていない土地はその旨が明示されていること。・可能な限り広い範囲で連続性のある地図が作成されること。または、隣接地区との地図の接続・隣接関係が明らかであること。 しばしば、地籍調査による地籍図もしくは地図で現地境界を復元できるとの説明があるが、地図だけでは図郭やトンボ等を基準とした読取座標となるため、精度の低い境界復元となる。面積計算書や地積測量図に筆界点の座標が記載されていれば精度の高い境界復元が可能である。したがって地図には実務に耐えられるような精度の高い復元機能はないといえる。 現状では地図の中に「地区外」や「道」「水」などとして書き入れされていない地番があったり、調査・作図された地図の範囲外は「地区外」と表示され隣接地もしくは隣接する地図が何なのかわからない状態にあり、機能向上が求められるところである。地図または地図に準ずる図面に書き入れされている土地は、登記情報の「地図番号」の欄に地図番号が記入されるが、その地域に地図または地図に準ずる図面があっても、書き入れされていない土地の登記情報には「余白」と記入され、所在不明地であるかのような情報となっている。
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