地中海システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 21:19 UTC 版)
「ミシェル・シュヴァリエ」の記事における「地中海システム」の解説
シュヴァリエがサン=シモン派として活動していた頃、1832年に機関紙『グローブ』へ寄せた4本の記事をまとめて出版されたのが『地中海システム』である。ここにはシュヴァリエ独自の鉄道観とサン=シモン派の歴史哲学を垣間見ることができる。 サン=シモン派が目指した究極の目的とは「普遍的結合(association universelle)」、すなわち全人類が協同して進歩へと向かうことであった。普遍的結合を実現するためには、有史以来、精神世界と物質世界を代表する二大勢力として相争ってきた西洋と東洋の対立を解消することが急務だと説く。融和の場として想定されたのは地中海である。かつて3千年来、東西両洋が相争う闘技場であった地中海は、爾後、両者の「婚礼の床」とならねばならぬ、そうシュヴァリエは説く。 東西融和の手段としてシュヴァリエが着目したのは鉄道である。彼は地中海沿岸に鉄道網を張り巡らせることで交通を加速させ、東西両洋の融和を推進することを主張する。ネットワーク技術により社会進歩がもたらされるとするシュヴァリエの主張は、レーニンのスローガン「共産主義とはソビエト権力と全国の電化である」や、アル・ゴアによる「情報ハイウェイ」構想を先取りするものと言えるだろう。
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