国連憲章における自衛権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:16 UTC 版)
国際連合憲章51条は次のように定める。 第五十一条 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。 このように、自衛権は国家の「固有の権利」と規定される。ただ、国際連合加盟国による集団安全保障体制の下では、その権利の行使は、国際連合安全保障理事会(国連安保理)の措置がとられるまでの時限的な権利とされている(なお憲章第7章参照)。 国連憲章第51条の「自衛権」の解釈については、多くの問題が生じているのも事実である。国家が武力行使をする際に最も頻繁にその適用が主張され、しかも、これらの主張に対して、例えば国連の安全保障理事会が必ずしも、明確な回答を与えていないという事情が存在するからである。さらに憲章51条等の解釈を巡っても、先制的自衛を容認しているか、自衛行為における釣合いの原則(比例適合性)の有効性について、あるいは武力攻撃の内容や守られるべき法益についても議論がなされている。
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