国民総生産と国内総生産の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 21:14 UTC 版)
「国内総生産」の記事における「国民総生産と国内総生産の違い」の解説
その国内領土に居住する経済主体を対象とする概念である「国内」を基準とする国内総生産(GDP)に対し、当該国の居住者主体を対象とする概念である「国民」を基準とする国民総生産(GNP)がある。「国民総生産」でいう「国民」とは当該国の居住者主体を対象とする経済的な概念であり国籍とは関係がない。個人の場合、主として当該領土内に6か月以上の期間居住しているすべての人を含む一方、一般に国外に2年以上居住する人は非居住者として扱われる。 「国の実体経済」を表す指標としては、国民総生産(GNP)よりも国内総生産(GDP)が重視されるようになった。1980年代頃までは国の経済の規模・成長を測るものさしとして国民総生産(GNP)がよく用いられたが、これは外国に住む国民の生産量も含む一方で、国内で経済活動をする外国人の生産量は含まないという点が、時代が下るにつれて進展していった経済のグローバリゼーションに伴い、国家を単位とする経済指標としては実態に即さなくなったと考えられるためである。 国連の1993SNA等ではGNPの概念そのものがなくなっており、それに代わる概念として国民総所得(Gross National Income = GNI)が導入されている。国内総生産を推計する体系を国民経済計算(体系)と呼ぶように、国民概念がもともと利用されてきたが、国内の経済活動状況を判断する基準としては国内総生産を使用することが一般的となった。日本でも1993年から国民総生産に替わって国内総生産を使用するようになっている。
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