国内外来魚として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 04:15 UTC 版)
「琵琶湖#琵琶湖に由来する外来魚」も参照 アユは河川漁業・遊漁にとって重要な魚種として日本各地で種苗放流が行われていて、琵琶湖では各地に出荷する種苗としてアユが採捕されている。海産アユが海の環境によって資源量が大きく変動するのに対し、琵琶湖のアユは豊富であるだけでなく、低水温でも活性を保つ、成長が早い、なわばり意識が強く友釣りに反応しやすいなどの特徴があり種苗は重用され、とくに1990年代ごろは重量ベースで90パーセントを占めるなど、日本のアユ種苗を寡占していた。 遺伝学が発達し、同種であっても異なる系統のグループ間での交雑の問題点が認識されるようになったが、1970年代以降の複数の研究によって、川に放流された湖産系アユは海に流下したあと遡上する能力を持たないことと、そのために河川での繁殖に寄与してこなかったことが示唆された。産卵期にも違いがあることから河川での交雑の可能性は小さいが、完全には否定されない。飼育下では、水温や日照時間によって産卵期を調整できるため人為的な交配が可能で、とくに陸封集団では天然にも起きうる。野村ダム湖と八田原ダム湖の陸封集団に浸透交雑(英語版)集団が報告されていて、天然集団に遺伝的撹乱をもたらすことが危惧されている。
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