団体主義と個人主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:34 UTC 版)
ゲルマン法の家長は家族員に対する重い責務を負い、家産は家族員全員の総有になるのを基本とし(日本の入会権に類似)、農業共同生活に適する。一方、前述のように家長権の強大なローマ法では、家長は家族団体の拘束から自由であり、先祖代々の家産は団体ではなく家長個人の所有である。家長の権限が強いローマ法が個人主義であり、家長自身すら団体法理に拘束されるゲルマン法が団体主義というのはその意味である。 個人を社会の基本単位として所有権を確保し、自由競争を促進することは、経済が国内の有限の富の上に完結せず対外侵略に至る危険性が強く非難される反面(レーニン)、列強に対抗するための富国強兵に適するから、現実の団体主義的な家族との調和が日本の民法編纂の課題であった。
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