噴火と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 07:51 UTC 版)
大室山の噴火の期間は10年以内とみられ、途中に数年ほど休みを挟んでいる。 噴火が進み、スコリア丘を成長させると、西の麓から最初の溶岩流が湧き出して2方向へ流れ出した。そのうち南に流れたものは深い峡谷をせき止め、現在の池地区に湖をつくり出した。この湖は明治時代に排水トンネルを掘り、水田へと変わった。 その後、北東と南の2カ所の麓から先述の溶岩流の30倍もの大量の溶岩があふれ出し、南東へ流れた溶岩は相模灘を埋め立て、城ヶ崎海岸のまれな海岸をつくり出した。同時になだらかな土地も生み出し、後に人間がこれに目をつけ、伊豆高原の観光地と別荘地を発展させることとなる。北に流れた溶岩流は谷を埋め、ここでも湖をつくり出し、また、少しだけ一碧湖へ流れ込んで、十二連島と呼ばれる小島たちをつくり出した。 この北東と南の2カ所の麓にできた火口では、噴火の終わりが近づいてくると溶岩の粘度が増し、火口の上に蓋をするように溶岩ドームをつくった。一方、山頂の火口内では溶岩湖がつくられ、その後、消失。しばらくして、スコリア丘の南斜面から小規模な爆発を起こして火口の跡を残し、大室山の噴火は全て終わった。 なお、再び大室山が噴火に至る可能性は、単成火山群の特性からして否定される。
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