嘔吐型食中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/20 19:52 UTC 版)
嘔吐型は毒素型食中毒でぶどう球菌食中毒に似た症状を呈する。本菌は芽胞を形成することにより、食品の中でも100℃・30分間の加熱調理過程を生き延びることができる。調理後の食品が長時間室温で放置されると菌の増殖が起こり、この際産生された嘔吐毒を食品と共に摂取することにより引き起こされる。この嘔吐毒はセレウリドと呼ばれるアミノ酸が環状につながった小ペプチドで、消化酵素・酸・アルカリに安定であり、120℃・15分間の処理を行っても失活しない。症状は毒素摂取後 1 - 6時間後に現れ、8 - 10時間続く。通常発熱しない。カレーライスやパスタでの事例が多く報告されている。これらの食品では調理後、保存中に菌が増殖するが、保存温度を4℃以下にすることで増殖を抑えることができる。患者が排泄した嘔吐物を大量に摂取しなければ患者から感染することはほとんどない。
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