嘔吐による代謝性アルカローシス
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「血液ガス分析」の記事における「嘔吐による代謝性アルカローシス」の解説
嘔吐がおこり HCl が体内から失われると、細胞外液が減少し、脈拍の増加などの臨床所見がみられるにも拘わらず、尿中 Na 濃度は 20 mEq/L 以上である。通常は有効循環血液量が減少すると尿中 Na 濃度は 10 mEq 未満となるのだが、嘔吐ではこのような反応がマスクされる。これは HCO3- 排泄のために遠位尿細管で Na や K を分泌するためと考えられている。代わりに嘔吐では尿中 Cl 濃度が 10 mEq/L 以下となるのが特徴的である。嘔吐が止まると、HCO3- を排出しなくなるので、まずは Na の再吸収が正常に戻り、その結果水素イオンが分泌されるため、体内はアルカローシスにもかかわらず酸性尿が作られるようになる。この状態では尿中 Na 濃度は 10 mEq 以上となるが Cl は依然と低値のままである。有効循環血漿量が改善するとようやく代謝性アルカローシスが改善してくる。通常尿中 Cl の意義は尿中 Na と同様であるが、代謝性アルカローシスの場合は尿中 Na が体液量の指標にならず、尿中 Cl が指標となる。
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嘔吐による代謝性アルカローシス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 09:49 UTC 版)
「アシドーシスとアルカローシス」の記事における「嘔吐による代謝性アルカローシス」の解説
嘔吐がおこりHClが体内から失われると、細胞外液が減少し、脈拍の増加などの臨床所見がみられるにもかかわらず、尿中Na濃度は20mEq/L以上である。通常は有効循環血液量が減少すると尿中Na濃度は10mEq/L未満となるのだが、嘔吐ではこのような反応がマスクされる。これはHCO3-排泄のために遠位尿細管でNaやKを分泌するためと考えられている。代わりに嘔吐では尿中Cl濃度が10mEq/L以下となるのが特徴的である。嘔吐が止まると、HCO−3を排出しなくなるので、まずはNaの再吸収が正常に戻り、その結果水素イオンが分泌されるため、体内はアルカローシスにもかかわらず酸性尿が作られるようになる。この状態では尿中Na濃度は10mEq以上となるがClは依然と低値のままである。有効循環血漿量が改善するとようやく代謝性アルカローシスが改善してくる。通常尿中Clの意義は尿中Naと同様であるが、代謝性アルカローシスの場合は尿中Naが体液量の指標にならず、尿中Clが指標となる。
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