唐紙の古写本とは? わかりやすく解説

唐紙の古写本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 12:55 UTC 版)

素性集」の記事における「唐紙の古写本」の解説

装幀薄藍地金銀砂子折枝雲文の後補表紙右端二か所を組紐綴じた大和綴で、本文料紙白地、薄赤地地に、それぞれ片面模様白雲母黄雲母で刷り出し唐紙用いている。体裁見開き二丁および他に一丁の計三丁同一料紙用いており、糊付け痕跡見られないので、当初より大和綴状に綴じたものと考えられる料紙唐紙は、(一)白地白雲母亀甲繋文、(二)白地黄雲母花唐草文(三)赤地白雲母唐草文(四)地白雲母唐草文(五)白地白雲母鳳凰唐草文(以上各三丁)、(六)地黄雲母唐草文二丁)の六種類を用いている。内題はなく、本文は「仁和中将御息所うたあはせに」の「をしとおもふこゝろもいとによられなむちるはなことにぬきてとゝめん」以下六〇首を半六~八行、一首二~三行詞書二字下げに、文字縦線ことさら太くするなど強弱アクセントをつけた流麗な筆致書写している。各歌の頭に「古」「撰」などの集付があり、この集付の多く藤原定家の手になるものと推測され、本帖が定家の手沢本であったことをうかがわせている。なお帖末には後筆で「是自筆歟」とするが、のちにこれを擦消している。奥書等はないが、料紙および書風より平安時代末期になるものと考えられる。 本帖の内容は、前田育徳会本親本にあたるもので、所収歌六〇首中、第二一首「かきりなき」と第五二首「そこひなき」は同一歌の重出考えられるが、第五八首「よろつよと」以下、末の三首は他の系統諸本みえない歌を収め、歌の配列詞書等も他と大きく異なっている。本帖は『素性集伝本中で独自の地位占め古写本として注目されるもので、美麗料紙とその装幀からも貴重な遺品である。

※この「唐紙の古写本」の解説は、「素性集」の解説の一部です。
「唐紙の古写本」を含む「素性集」の記事については、「素性集」の概要を参照ください。

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