哲学的人間学と実存哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 02:29 UTC 版)
「ドイツ現代思想」の記事における「哲学的人間学と実存哲学」の解説
マックス・シェーラーは、フッサールの初期の弟子で現象学を学んだが、後に、人間が自身に抱く自意識の歴史について、その自意識が突然に増大し続けている現代の事態を解釈するための学問として哲学的人間学を提唱した。彼は、人間の自己像の解釈を、「宗教的人間学」、「ホモ・サピエンス」、「ホモ・ファーベル」、「生の哲学における人間学」、「要請としての無神論における人間学」の五つに類型化し、それぞれに対して同等の現代的アクチュアリティを要求することによって答えようとしたが、それは生の哲学の問題提起を受けて、人間の宇宙・世界における地位を問い直そうとするものであった。 精神医学者から哲学者に転じたカール・ヤスパースは、その著書『哲学』において、実存とは精神と生の相互浸透であるとして、生の哲学の問題提起を直接に受け止める。しかし、彼は、無神論者であるニーチェではなく、キリスト教徒であるキェルケゴールに依拠し、実存は一度限りの人生において、不安の中で挫折のうちに、「存在」を体験するが、それは超越の暗号であるとする。
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