和音と周波数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 06:43 UTC 版)
一定の周波数をもった自然音は、その整数倍の周波数を持った倍音を成分として無限に含んでいる。こうした倍音の高さの音は、元の音(基音)の一部でもあるため同時に鳴らすと協和して聞こえる。それらの倍音を何オクターヴか下げて基音と同程度の音域に調整したものも、やはり周波数の最大公約数が大きく、同じように協和して感じられる。 古代ギリシャにおいて、ピタゴラスが周波数の比率の単純な音は協和することを発見したとされるが、17世紀に倍音が発見されると、19世紀にはヘルムホルツが、共通の倍音を含む音は人間の耳に協和して感じられることを発見した。周波数の比率の単純な音はそれだけ共通した倍音も多く、ピタゴラスの主張を科学的に裏付けたといえる。例えば、純正な音程の場合、周波数の比率は、オクターヴが1:2、完全5度は2:3、完全4度は3:4、長3度は4:5、短3度は5:6となり、長3和音は4:5:6、短3和音は10:12:15となる。 ただし、現在一般的に使用されている平均律では、あらゆる調に自由に移調できるという利点があるものの、オクターヴ以外の音程は純正なものから僅かにずれている。 音高をある程度以上自由に変えられる、ヴァイオリン属の楽器や管楽器、また声楽のアンサンブルでは、ゆっくりとした曲で各音程や和音をなるべく純正なものに近づけて演奏することは行われる。
※この「和音と周波数」の解説は、「和音」の解説の一部です。
「和音と周波数」を含む「和音」の記事については、「和音」の概要を参照ください。
- 和音と周波数のページへのリンク