向聴取らずと向聴戻し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 15:31 UTC 版)
待ちが悪い、手が安い、危険牌が切りづらい、などの理由で、敢えてテンパイに取らないことを聴牌取らず(テンパイとらず)もしくは一向聴戻し(イーシャンテンもどし)と言う。同様に、なんらかの理由により一向聴に取らないことを、一向聴取らずもしくは二向聴戻しと言う。すなわち、シャンテン数を1つ下げられる局面であるにもかかわらず、敢えて現状を維持する牌を切るのが向聴取らず(シャンテンとらず)、もともとの状態から何らかの理由で敢えてシャンテン数を上げるのが向聴戻し(シャンテンもどし)である。 (例)テンパイ取らずの例 ツモ ドラ表示牌 (南3局の北家、10巡目、トップと約10,000点差) ドラの五筒を切れば辺七萬のテンパイになる牌姿だが、南場の親も落ち、トップと離された状況にあって、愚形のリーチドラ1を和了っている場合ではない。したがってテンパイには取らず、を払って五筒のくっつきを狙う。三筒や四筒を引く前に五索を引けば、二索と振り替えて三色も見える手組みである。 (例)一向聴取らずの例 ツモ ドラ表示牌 (南3局の北家、8巡目、トップと約10,000点差) この牌姿はすぐ上の例の2巡前の牌姿である。ここから字牌を切れば上のようなとの一向聴になる。しかし、どのみちドラの五筒を切らないのであれば、受け入れが狭くタンヤオもつかない辺張を残して一向聴に取る意味はない。ドラ周りで2面子、索子のリャンメンも残してあわよくば三色も、という手組みを考えるなら、辺七萬の受けは既にこの段階から不要である。そのような思考のもと、西ではなく八萬か九萬を切るのが一向聴取らずである。 (例)テンパイ崩しの例 ツモ ドラ表示牌 (東1局の南家、14巡目、は場に0枚で生牌) 東家 テンパイしている状態から何らかの理由により一向聴に戻すことを、特にテンパイ崩しと言う。 上の牌姿例は、数巡前からテンパイしていたが13巡目に親が白をポン、その直後に發を掴まされた図である。このような場合、テンパイしているからと言ってドラの發を切るのはまごうことなき暴牌であり、切った發にロンが掛ればただごとでは済まない。發単騎の小三元だったとしてもダブ東と混一色がついて親倍24000点、さらにチャンタや対々がついていれば三倍満36000点。大三元または字一色なら親役満48000点、場合によっては大三元+字一色のダブル役満96000点になっているかもしれない。いずれにしても即死の牌であり、發を止めてテンパイを崩す一手であるのみならず、現物牌以外の牌は切れない。迂闊に一萬や九索を切って發との双碰に刺されば、混老頭がついて数え役満となり、發を止めてテンパイを崩した意味がないからである。
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