同一性と心理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 08:30 UTC 版)
心理学や精神医学では人格の連続性、すなわち時や場所によらずに自分は自分であると確信できる連続した自我状態は、自我同一性(ego identity)といわれる。ヤスパースは、私がするという能動性、私は一人であるという単一性、私は時間が流れても私であるという同一性、外界と他人に対する自我の意識(自他の区別)という自我の四つの特性をあげている。通常は1つの身体につき1つの同一性が矛盾しない状態で存在するが、これが損なわれる精神疾患に解離性同一性障害(1つの身体に複数の同一性が存在する疾患)などがある。このような障害においては、本人が喪失した記憶を有する別人格が登場する。性同一性障害(自己の性同一性が身体の性別と不調和な状態)もアメリカ精神医学会を中心に、このような精神疾患の一つとみなされるようになったが、英国政府は2003年の「性別移行者に対する政府政策」に於いて明確にこれを否定し(性転換症の項目を参照)、ジョグジャカルタ原則のとりわけ第3原則並びに第18原則に於いても明確に否定されるに到った。
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