吉田寮現棟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 15:54 UTC 版)
「第三高等学校 (旧制)」の記事における「吉田寮現棟」の解説
上記の吉田寮食堂と同様、吉田寮「現棟」も、第三高等中学校寄宿舎の部材を転用して建設されたことが分かっている。 第三高等中学校寄宿舎は1889年(明治22年)に、山口半六と久留正道の設計により建設された。この建物は1894年(明治27年)からは第三高等学校(旧制三高)寄宿舎として、1897年(明治30年)からは旧・京都帝国大学寄宿舎として使用された。1912年に一度解体され、山本治兵衛と永瀬狂三により吉田寮現棟に再構成された。日本建築学会によると、吉田寮現棟の階段室などには前身建物の面影が見られる。過去に幾度も存続の危機に見舞われ、現在も老朽化や耐震性の不足が懸念されている。吉田寮自治会は補修を要求しているものの、京都大学は応じていない。なお、建築の専門家らは現棟を明治・大正時代の歴史的建築資産と評価し、補修を訴えている。2009年、京都府教育庁指導部文化財保護課は現棟を「京都府の近代和風建築」にリストアップした。2015年5月、日本建築学会近畿支部は京大の山極壽一総長宛に「京都大学吉田寮の保存活用に関する要望書」を提出した。また同年11月には建築史学会が山極総長宛に、現棟の保存活用を求める要望書を送付した。
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