各国の有病率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 01:42 UTC 版)
国・地域によって、生活習慣が異なっても、腰痛の罹患率は比較的一定である。WHOは「腰痛の罹患率や有病率は、世界の至る所でほぼ一定である。腰痛は、世界中で、休業する原因の筆頭である」と述べている。ただし、現在も狩猟採集生活を行うタンザニアのハザ族Hadzaの人は、毎日20km以上を歩くが、木から落ちて腰部を打撲するなどの急性腰痛の人はいるものの、慢性腰痛の人はいない。 欧州 急性腰痛の原因は姿勢にあるとの1976年のナッケムソンの指摘以降、欧州では就労中・家事労働中などの予防が行われている。2004年の欧州委員会の腰痛診療ガイドラインによれば、ヨーロッパにおける腰痛の生涯罹患率は84%で、有病率は23%である。 アメリカ合衆国 腰痛は米国において医師受診で最も一般的な理由の一つであり、その年間コストは1000億ドルに上ると推定されている。多くの患者の腰痛は、原因を特定できない非特異的腰痛である。この点に関して、ナッケムソンは明確に学会の問題点を指摘している。 日本 厚生労働省による国民生活基礎調査(2015年度)における有訴者率で男の1位、女の2位を占める症状である(男の2位、女の1位は共に肩こり)。また、日本人の8割以上が生涯において腰痛を経験しているとされる。多くの人々は腰痛を訴えているが、画像診断で異常が認められない場合も多い。異常が認められる場合でも、それが腰痛の原因でないこともあり、腰痛患者の8割は原因が特定されていない(非特異的腰痛)。
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