古典的な落書き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 05:51 UTC 版)
なお徒に書き記された物では、古典において徒然草に代表される徒然文と呼ばれる様式がある。紙が貴重品である時代には、徒に書き記す行為でも、書く内容はそれなりに厳選された事であろう。ただし、徒然草はある程度意識して書かれた随筆である。 他方、戯れに描かれる絵では、やはり古く鳥獣戯画に代表される滑稽な物が残されているが、現代でも絵によって滑稽さを表現する落書きの様式もあり、猥褻にも滑稽なものなら、風刺を交えて滑稽な物まで、様々な様式が存在している。 また建物の壁や柱・床などに直接描かれる落書きもある。雪舟が涙で描いたネズミの逸話は広く知られているが、たとえば、後述するようなカンボジアのアンコール・ワットの壁面に刻まれた訪問者の人名など歴史的建造物の中には、当時の、または後世の人々の落書き(だったもの)が見られ、興味深い事実が明らかになるケースもある。ドイツ・ハイデルベルクの学生牢では収容された学生による落書きが多数残されている。 日本には古くから「へのへのもへじ」や「ヘマムシ入道(またはヘマムシヨ入道)」等の文字遊びとしての伝統的落書きが存在し、今でもこれを(ほとんど無意識に)描く人も見られる。(ヘマムシ入道に関しては、広辞苑の同項に図が見られる)
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