収取権者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/09 08:22 UTC 版)
日本の民法は元物主義(分離主義)を採用し、天然果実は、その元物(天然果実を産出した物)より分離する時にこれを収取する権利を有する者に属する(89条1項)。分離に至るまでは元物の構成部分であるが、分離により独立した物として扱われる。通説によれば89条1項は強行法規ではないので当事者間で異なる合意を結ぶことは可能であるとされる(ただし、強行法規とみる反対説もある)。 「収取する権利を有する者」(収取権者)は物権法その他の規定によって定まる。善意の占有者(189条1項)、所有者(206条)、地上権者(265条)、永小作権者(270条)、不動産質権者(356条)などである。 なお、未分離果実が独立して取引の客体とされる場合には独立した物としての地位が認められ民法89条の適用はない(通説・判例。大判大5・9・20民録22輯1440頁)。
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収取権者
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法定果実の収取権者は債権法あるいは物権法の原則または当事者の意思表示により定まる。なお、抵当権者は、被担保債権につき不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の天然果実と法定果実に優先弁済権を行使することができる(371条)。また、まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する(575条)が、買主が代金を支払っていれば買主に帰属する。
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