反応・受容・改訂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 07:40 UTC 版)
「自然哲学の数学的諸原理」の記事における「反応・受容・改訂」の解説
同書は出版当時から非常に難解な内容だとされた。これは諸事情(にゅーとんは過去に批判された経験から、批判に非常に敏感になっており批判を少なくするために意図的に難しくしたこと)によって採用された数学的手法が複雑であることも一因であった。同書の出版によって古典力学の基礎が築かれたが、自然哲学が一般の素人には近づきにくいものともなった。 第三巻で示された世界観はキリスト教擁護のために活用された。ニュートンの友人であるボイルの遺産をもとに行われるようになったボイル・レクチャーズ(en:Boyle Lectures)という一連の講義において、自然(宇宙)が数学的に秩序立っていることを同書を用いて説明し、それにより神が存在していることが説かれた。 第二巻の「抵抗のある媒質中における物体の運動」は、その内容にもかかわらず、用いられた数学的道具がユークリッド幾何学だけであったことにより説明不足となっていた部分もあった。大陸側ではライプニッツの数学的手法を継承する自然哲学者たちがおり、ニュートンが同書で用いた数学的手法をライプニッツ流の微分積分学で書き換える作業を行った。これにより、第二巻の「抵抗のある媒質中における物体の運動」は当初ニュートンによって書かれていたよりも、かなり厳密に説明されるようになった。 18世紀にはラグランジュがニュートン力学以後の力学の研究成果を統合し『解析力学』(1788)にまとめることになった(解析力学。ラグランジュ力学)。
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