双有理不変量とは? わかりやすく解説

双有理不変量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:06 UTC 版)

双有理幾何学」の記事における「双有理不変量」の解説

詳細は「小平次元」を参照 「双有理不変量」も参照 まず、どのようにして有理的でない代数多様体存在するかを示す方法が明らかではない。これを証明するためには、代数多様体何らかの双有理不変量を作ることが必要である。 双有理不変量の有益な双有理不変量の一つ多重種数である。次元 n の滑らかな代数多様体 X の標準バンドルは、n-形式ラインバンドル意味するK X = Ω X n , {\displaystyle \,\!K_{X}=\Omega _{X}^{n},} これは、X の余接バンドルの n 番目の外積である。整数 d に対しKX の d 番目のテンソル積は、再びラインバンドルとなる。d ≥ 0 に対し、大域的切断ベクトル空間 H0(X,KXd) は、滑らかな射多様体の間の双有理写像 f: X – → Y は同型 H0(X,KXd) ≅ H0(Y,KYd) を導くという注目すべき性質持っている。 d ≥ 0 に対し、d 番目の多重種数 Pdベクトル空間 H0(X,KXd) の次元として定義すると、多重種数滑らかな射多様体対する双有理不変量である。特に、d > 0 について多重種数 Pdゼロでないならば、X は有理的ではない。 基本的な双有理不変量が小平次元で、d が無限大となるときの多重種数 Pd増加する大きさ測る量である。小平次元は、次元 n のすべての多様体を、小平次元 -∞, 0, 1, ..., n として n+1 個のタイプ分類する。このタイプ多様体複雑さ測るものであり、射影空間小平次元 -∞ をとなる。もっと複雑な多様体小平次元が、普通の次元 n に等しいときであり、一般型多様体呼ばれる。 さらに一般的に、r ≥ 0 に対して余接バンドル Ω1 の r 番目のテンソル積の自然な和 E(Ω1) について、大域的切断ベクトル空間 H0(X,E(Ω1)) は滑らかな射多様体の双有理不変量である。 特に、ホッジ数 hr0 = dim H0(X,Ωr) は X の双有理不変量である。(ほとんどのほかのホッジ数 hpq は、以下でみるように、双有理不変量ではない。) 基本群 π1(X)滑らかな複素射影多様体の双有理不変量である。 2002年にAbramovich, Karu, Matsuki, と Włodarczyk (2002) により証明された「弱分解定理」は、2つ滑らかな複素射影多様体の間の任意の双有理写像は、滑らかな多様体への有限個のブローアップブローダウン分解することができる。しかし、これが2つ滑らかな射多様体が双有理であるかどうか判定することは極めて難しいことを知っておくことが大切である。

※この「双有理不変量」の解説は、「双有理幾何学」の解説の一部です。
「双有理不変量」を含む「双有理幾何学」の記事については、「双有理幾何学」の概要を参照ください。

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