参考:初夜の忌
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初夜の忌(しょやのい)とは、日本において結婚初夜(または数日間)、新婚夫婦の性交を禁じた風習である。処女や新婦は神の所有物であり、また、処女の血を忌み嫌う風習が存在したためである。社会学者の江守五夫は、「古事記における大国主命と沼河比売」の求婚譚、「万葉集における大津皇子と石川郎女」の贈答歌などにもその片鱗が認められ、「女が男の求婚を受け入れながらも、一夜、(新郎を)家に入れず外に待たせる」風習などが起源ではないかと述べている。 また、ヨーロッパ圏では「トビアの晩(Tobias nights)」と呼ばれる風習がドイツやスイスなどの一部地域で存在しており、やはり結婚初夜の性交を禁じる風習だったという。これは、「経外書(ラテン語のウルガータ版とギリシア語のアルドゥス・マヌティウス版から抜粋して再編した聖書)」や旧約聖書外伝(幾つかの宗派は正式な聖典と認めない)に指定されている「トビト記」などに登場する男性トビトの息子トビアに由来し、彼の娶ったサラという女性の前夫たちはいずれも結婚初夜に悪魔アスモデウスによって殺害されていたため、これを回避しようとした故事に倣っている。
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