占事略决研究の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 08:20 UTC 版)
中世陰陽道研究家の小坂眞二は、現存する六壬式占文や当時の文献等を基に平安時代の六壬神課の復元を行っている。その成果の一部は、後掲論文に収載される。また、一連の論文で小坂は、陰陽師達が使っていた六壬神課の三伝の復元も行っている。小坂眞二は『占事略决』の原典の復元に着手し、その結果を小坂2005として上梓している。 『占事略决』は、比較的平易な漢文で記述されている。しかし、六壬神課についての知識がないと、読み下すことはできたとしても、内容を理解することはほぼ不可能に近い。例えば「四課三伝法第一」の冒頭は、 常以月将加占時視日辰陰陽以立四課 であるが、これを、 常に月将を以て占時に加え、日辰陰陽を視て以て四課を立つ。 と読み下すことは、漢文の知識があればさほど困難ではない。しかしこの記述が、月将と時刻の十二支から天地盤を作成して、日の干支から四課を作成する手続きについての記述であることを理解するには、六壬神課についての知識が必須となる。 この点を踏まえて占術研究家の松岡秀達は、六壬神課の解説から始めて『占事略决』の解説に至る著述を松岡2007として上梓した。なお同書において松岡は、『占事略决』が36の章から構成されていること、26章が36の項目から構成されていることに着目した。松岡の仮説では、天の数である36と地の数である72(=36+36)を占事略决の構成に組み込むことで、『占事略决』全体を天地盤ないし式盤になぞらえたのではないかとしている。
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