協奏ソナタ形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 05:24 UTC 版)
古典派の時代になると、協奏曲に合わせたソナタ形式が開発された。これを協奏ソナタ形式といい、特に第1楽章において用いられる。 まず、上記のように管弦楽により2つの主題が同じ調で提示された後、アインガング(独: Eingang)と呼ばれる導入により独奏楽器が演奏し始める。 2つの主題がソナタ楽章本来の調性で改めて提示された後、展開部、再現部を経て、カデンツァと呼ばれる独奏楽器のみの演奏部分に入る。この部分は本来、演奏家が即興演奏するものであるが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番では作り付けのカデンツァが書き込まれ、それ以降の協奏曲の規範になった。 カデンツァは通常、属和音(あるいは主和音の第二転回形)で半休止してから(トリルを伴うことが多い)、管弦楽に引き継がれて主調で曲は終結する。 なお、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番においては、冒頭の主題提示部で短くはあるが独奏ピアノが登場する。その後、ベートーヴェンがピアノ協奏曲第4番、第5番において冒頭で独奏ピアノを活躍させた。 その後、ロマン派になると協奏曲の形式は自由になり、協奏ソナタ形式は次第に使われなくなった。だが、ブラームスは2曲のピアノ協奏曲(第1番、第2番)、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲において自由な協奏ソナタ形式を用いた。
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