半円コースとオーバルコース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 23:34 UTC 版)
「車いすマラソン」の記事における「半円コースとオーバルコース」の解説
自転車レースや自動車レースには、オーバルコースが採用されている。これは、カーブで急にハンドルを切ると危険であるため、徐々に曲がり方が強くなるように設計されているものである。(緩和曲線参照)しかし陸上競技のトラックは、人が足で走ることを前提に、また運動場などでラインを引きやすいように設計されているため、カーブは完全な半円である。従ってコーナーの入り口で一気にハンドルを切れば、後はその角度を維持し続ければよいことになる。 競技用車いすには、前輪の角度をトラックのカーブに合わせて固定する装置が取り付けられているため、カーブの入り口でハンドル角を固定すれば、ハンドルを触らずに後輪を漕ぎ続けることができる。車いすレースにおいては、この、前輪角度の固定タイミング、直線に出た時に戻すタイミングがポイントとなる。 (参考)2008年北京女子5000m2008年北京パラリンピック、車いす女子5000mラスト1周直前で接触、転倒したのは、このタイミングを逸したのが原因である。コーナーを終え、直線に出た時、2位を走っていた選手が、下を向いていたため直線に出たことに気付くのが遅れ、前輪を元に戻さなかったため、内側に切り込んできて、後続と接触、転倒したものである。2004年アテネの5000m金メダリストの土田和歌子がこのアクシデントに巻き込まれ、優勝を期待されたマラソンも欠場を余儀なくされている。
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