動機および概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 20:22 UTC 版)
Perlスクリプトは、実行ファイル形式またはモジュール形式を用いてウェブアプリケーションとして実行できる。そのための枠組みの例として、CGI, FastCGI, SpeedyCGI, mod_perl, ISAPIなどが従来から存在する。これらのうちCGIが最も古典的でシンプルな実行方法として知られているが、クライアントからのリクエストのたびにプロセスの起動・破棄を行うため、サーバへの負担が大きく、ユーザへのレスポンスにも時間がかかる。また、このような起動形態ではデータベースとの接続といった必要な初期化も毎回行わなければならない。これらの問題を解決するために、FastCGI, SpeedyCGI, mod_perlなどが考案された。これらの環境では、Webアプリケーションプロセスを起動したままにして、リクエスト毎にこのプロセスがWebサーバと何らかのインタフェースで通信することで、プロセス起動や各種の初期化にかかるオーバーヘッドを排除している。しかしながら、これらの実行環境 (FastCGI, mod_perl, etc.) はそれぞれインタフェイスが異なるため、ウェブアプリケーションフレームワークごとに、それらの差異を吸収するためのコードが繰り返し再発明されていた。 この問題を解決すべく、宮川達彦氏を主導として、PythonのWSGIやRubyのRackから着想を得た、PSGIというウェブアプリケーション用の規格が策定された。また、同時にPSGIのリファレンス実装であるPlackも発表された。PlackはCPANからダウンロードできる。PSGIの登場と普及により、具体的な実行環境を意識することなくウェブアプリケーションを作成できるようになった。2010年現在では、ほとんどのPerl製WebアプリケーションフレームワークがPSGIに対応している。
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