労災不支給が裁判で逆転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 16:25 UTC 版)
「アスベスト関連肺がん」の記事における「労災不支給が裁判で逆転」の解説
アスベストが原因の肺がんとして労災を申請したにも関わらず、労災の申請をしても審査において棄却されるケースも多々ある。このような被害者の中には、不支給処分の取消を求めて行政訴訟を起こす患者や遺族もいる。現在、多くの裁判において厚生労働省は敗訴しているため、不支給処分とされたケースでも相談事業にあたる団体に相談をすることによって結果が変わることがある。2013年2月には港湾荷揚げ作業に従事していた男性の遺族が起こした裁判で、大阪高裁で処分の取消を求める判決が出され、厚労省は控訴せずに確定した。同年6月には東京高裁でも製鉄所の技術者だった男性の不支給処分を取消す判決が言い渡され、厚労省は上告できずに確定している。 また、これらの結果を踏まえ、神戸東労基署が不支給とした決定とされたことの取り消しが争点となっていた裁判において、厚生労働省が裁判係争中の2013年2月12日に支給へと決定を変更した事例などもある。 2014年6月10日、上記の事例と同様に肺内の石綿小体本数が厚労省が主張する基準(5000本)以下の1845本であることを理由に2012年に労災不認定とされ、2014年1月に肺がんで死亡していた男性の遺族が岡山県笠岡労働基準監督署の処分取り消しを求めて岡山地裁に提訴した。2012年に厚生労働省が定めた新認定基準に基く石綿小体本数をめぐって不認定となった事例としては初めての訴訟となる。
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