別波長での観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 16:10 UTC 版)
「ハッブル・ディープ・フィールド」の記事における「別波長での観測」の解説
ライマンブレーク銀河のような赤方偏移の大きい銀河では可視光の範囲では観測できないことが多いため赤外線やサブミリ波による観測が行われた。赤外線宇宙天文台(ISO)の観測ではハッブル・ディープ・フィールド内の13の銀河について赤外線が観測された。このうち2つは恒星の光、あるいはシラスによるもの、11個は星形成に関連して放出されたものであると考えられている。また、スピッツァー宇宙望遠鏡も赤外線で観測を行った。サブミリ波での観測はジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡に搭載された観測機器SCUBAにより行われ、5つのサブミリ波源らしきものが検出された。また、日本の国立天文台が管理するすばる望遠鏡でも複数の波長での観測が行われた。 チャンドラX線観測衛星の観測ではハッブル・ディープ・フィールド内に6つX線源があることが明らかになった。観測されたX線源のうち、CXOHDFN 123648.2+621309、CXOHDFN 123655.5+621311、CXOHDFN 123657.0+621301の3つが楕円銀河、CXOHDFN 123641.9+621131が渦巻銀河、CXOHDFN 123646.4+621404が活動銀河核でCXOHDFN 123651.8+621221についてはよく分かっていないが塵によって赤くなっていると考えられている天体である。 超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)を用いた研究では8.5GHzでの観測でハッブル・ディープ・フィールド内の7つの電波源が明らかになり、うち全てが可視光でも確認されていた天体であった。ジョドレルバンク天文台の運営するMERLIN(英語版)とVLAでは1.4GHzで観測が行われた。この研究でHDF周辺部を含めて91の電波源が特定され、うち16がハッブル・ディープ・フィールド内にあった。また、ヨーロッパVLBIネットワークでも1.6GHzで電波源の観測が行われた。
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