初期使用と実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 03:42 UTC 版)
古代ギリシャ人やローマ人は、蛇咬傷(へびこうしょう)や毒薬をもつ武器の観察から、薬の投与方法として注射を知っていた。旧約聖書やホメロスの作品にも「塗油」や「塗膏」についての言及もあるが、合理的な医療手段としての注射が真に探求されるようになったのは17世紀に入ってからである。クリストファー・レンは、1656年に犬に静脈注射を行い、粗製の皮下注射針を使った最初期の確認実験を行った。これらの実験は、動物の膀胱(注射器として)とガチョウの羽軸(針として)を使って、アヘンなどの薬物を犬に静脈内投与するものであった。レンらの主な関心事は、伝統的に経口投与されていた薬が静脈内投与で有効であるかどうかを知ることであった。1660年代に、キールのJ.D.メジャーとベルリンのJ.S.エルショルツが最初に人間への注射を実験した。これらの初期の実験は一般的に効果がなく、場合によっては致命的であった。注射は2世紀にわたって支持されなくなった。
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