分類への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 06:01 UTC 版)
X を標数 0 の体の上の小平次元が非負の多様体とし、B を X の標準モデル B = Proj R(X, KX) とすると、B の次元は X の小平次元に等しい。自然な写像 X → B が存在して、ブローアップ(英語版)(blowing up)した X と B から得られる任意の射は、飯高ファイバー構造と呼ばれる。極小モデルとアバンダンス予想は、飯高ファイバー構造の一般のファイバーは、カラビ・ヤウ多様体であるように整形でき、特に小平次元 0 となるであろうことを意味している。さらに、有効な B 上の(一意ではないが) Q-因子 Δ が存在し、ペア (B, Δ) が川又対数端末(klt)、つまり、KB + Δ が豊富であり、X の標準環が (B, Δ) の標準環のある d > 0 倍の次数と同じである。 この意味で、X は一般型の (B, Δ) を底空間と小平次元 0 の多様体の族へ分解する。(注意することは、多様体 B 自身は一般型である必要はない。たとえば、飯高ファイバーが P1 上の楕円ファイバーである子だら次元 1 の曲面が存在する。) 上記の予想が正しいとすると、代数多様体の分類は、小平次元−∞, 0 と一般型の場合へとほとんど帰結することができる。小平次元 −∞ と 0 に対しては、分類のアプローチが存在する。極小モデルやアバンダンス予想は、すべての小平次元 −∞ の多様体は、単線織多様体であり、標数 0 上のすべての単線織多様体はファノファイバー空間と双有理同値であることが知られている。極小モデルとアバンダンス予想は、すべての小平次元 0 の多様体は端末特異点を持つカラビ・ヤウ多様体と双有理同値であることを意味する。 飯高予想は、ファイバーを持つ小平次元が、少なくとも基底空間の小平次元と一般のファイバーの小平次元の和となることを言っている。サーベイは Mori (1987) を参照。飯高予想は、1970年代、1980年代の極小モデル理論の発展を強く促した。多くの場合が、現在でも知られていなく、有名なアバンダンス予想は、極小モデルの理論の主予想に従うという予想である。
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