分布・根源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 17:13 UTC 版)
ミシャグジの分布を調べた今井野菊によると、長野県には750余りのミシャグジ社が存在し、そのうち諏訪109社、上伊那105社、下伊那36社、小県104社などが多い郡であるという。全国では山梨県160社、静岡県233社、愛知県229社、三重県140社、岐阜県116社、滋賀県228社のほか関東各県にも見られる。なお、大和岩雄(1990年)は今井が「ミシャグジ社」とした滋賀県内にある神社のほとんどが大将軍神社であると指摘し、それはミシャグジ信仰に含まれないとしている。また、群馬・埼玉・山梨ではチカト信仰と重なっている。 信仰の分布からミシャグジ信仰の淵源は、諏訪信仰に関わるとする見方がある。昭和9年(1934年)に書かれた「地名と歴史」の中で柳田國男はこう書いている。 荒神・山神・地ノ神・道祖神は、西部の諸県にもあるが、伊勢から紀州の一部を止まりにして東にしかないのは.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}社宮司(しゃぐじ)という神である。これについて二十年余りも前に、私は小さな本を一冊書いている。それから後に判ったことは、信州の諏訪が根源で、今は衰えてしまった土地の神の信仰ではないかということである。 なお、近年では全国に見られる「ミシャグジ的なもの」やミシャグジめいた石神はすべて諏訪に由来すると考えるのは乱暴で、諏訪大社において特化したミシャグジ信仰と、諏訪から切り離されてしまった諏訪由来と思われるミシャグジ信仰、または他所に見られる「ミシャグジ的信仰」をそれぞれ分けて考えるべきである、という意見が現れている。かつての諏訪大社においてはミシャグジは特定の神官しか扱えない存在とされており、この神官が直接参向していなかった関東・東海等の石神信仰はそもそも諏訪地方のミシャグジとは直接の関係は持っていないはず、という指摘もある。
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