分布の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 14:52 UTC 版)
古い仮説では、シマハイイロギツネはかつて広く分布していた大陸における小型種の残存種(英語版)ではないかとされていた。しかし大陸で小型種の化石が見つからないことからこの説は否定されている。 もう一つの仮説では、更新世の間に大陸のハイイロギツネが北部の島へやって来てそこで選択圧を受けて小型化したとされ、北部の3島(サンミゲル島、サンタクルス島、サンタローザ島)が一つの大きな島になっており大陸との距離も近かった氷期の間に大陸のハイイロギツネが浮遊するごみに乗って海を渡り偶然到達したなどと考えられてきた。しかし、人間がチャンネル諸島に住み着いていたことが確実とされる最古の年代 (13,000 cal yr BP頃) よりも古い可能性がある3つのシマハイイロギツネの骨についてAMS法によるC14年代測定を行ったところ、最古のものでも完新世にあたる6,400 cal yr BP頃であった。また炭素年代測定とミトコンドリアDNAの調査を合わせた推定では島にたどり着いた年代は9,200-7,100年前とされた。これらの研究は自然に住み着いたのではなく人間(ネイティブ・アメリカン)によって持ち込まれた可能性を示しており、そのどちらなのかははっきりしていない。一方、南部の3島(サン・ニコラス島、サンタカタリナ島、サン・クレメンテ島)については従来よりネイティブ・アメリカンの手によって北部から持ち込まれたと考えられている。
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