分子量と物性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 02:00 UTC 版)
分子が存在する場合の分子量は、純物質の沸点や粘性、希薄溶液の沸点上昇や凝固点降下など様々な物性に影響を与え、逆にそれを利用して分子量を測定することもできる。 1個の分子が多数の繰り返しユニットから成る高分子の分子量は、一般には繰り返し回数が単一の値ではなく、個々の分子により異なっているので、単一の値としては分子の集団の統計値である平均分子量しか得られない。平均分子量は、平均の取り方の違いにより、数平均分子量や重量平均分子量など異なる種類があるので、いかなる種類の平均分子量かを明確にしないといけない。さらに、平均分子量が等しい試料でも、分子量分布の形が違えばその物性は違ってくる。このような高分子の反応や合成を定量的に扱うときは、繰り返しユニットを要素とする化学式量を使うのが適切である。言い換えると、高分子の物質量は繰り返しユニットを要素粒子として指定するのが適切である。 上記のようなマクロ試料の場合と異なり、質量分析実験や分子線実験では、文字通り1個の分子(質量分析では実際はイオン)の質量という意味での分子量が測定に影響する。
※この「分子量と物性」の解説は、「分子量」の解説の一部です。
「分子量と物性」を含む「分子量」の記事については、「分子量」の概要を参照ください。
- 分子量と物性のページへのリンク